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2012.01.05 (Thu)

曽木発電所(伊佐市見聞記)

曽木の滝には昨日(1月4日)書いたように水力発電所のための取水口と導水路が今でも残っています。

下流には2つの水力発電所のあとがあります。
案内図をわかりやすくしてみました。横幅を少なくするために横長の案内地図を上下に配置し,取水口と発電所を赤○で囲み,現在の水域をわかりやすく水色の線で強調しました。

発電所案内図


現在
第一発電所は導水路とヘッドタンクの一部だけが残っており,
第1発電所1


第二発電所は,発電施設の建物の一部がかろうじて残っています。水が多い時期は,ほとんどが鶴田ダムの湖底に水没してします。現在水位が少ないために姿を現し,夜間はヘッドタンクの方から照明でライトアップされています。
それがこの写真になります。
発電所1
夜間のため全体を見ることはできませんが,湖面にうつる建物も見えると思います。伊佐の寒空に幻想的な発電所あとを見ることができます。
発電所2

昼間はこんな感じです。
発電所3

そして稼働中とおもわれる頃の写真が案内板にありましたので写しました。
現在の写真と見比べると現在残っている部分がどの部分にあたるかわかると思います。
発電所4

さらに曽木の滝公園内の別な案内板には違う角度からの写真があります。そして,鶴田ダムの完成により湖底に沈んだ民家も写っています。発電所のすぐ近くまで住民の方々の生活の場があったのですね。
発電所5


では,曽木の滝公園内第二発電所展望台等の案内板や大口市郷土誌(大口市郷土誌編さん委員会編)等をもとに発電所のことを紹介します。

第一発電所 明治39年(1906年)1月着工 明治40年8月に完成。三カ所の金山の排水動力源や近郊村落と水俣の日本カーバイト商会に供給されました。出力800kwとも880kwともいわれています。
しかし,明治42年9月の大洪水で大破損し,11月に廃止届けが提出されました。

第二発電所 明治42年(1909年)に第一発電所に代わり発電量約6,700kwの第二発電所が完成し,周辺部は全国からの技術者や作業員が集まり,集落は活気に包まれていたそうです。

曽木発電所遺構の概要】(展望台 案内板より転記)
この曽木発電所遺構(第二発電所)は明治42年(1909年)に,日窒コンツェルンの創始者で,我が国の代表的な経済人でもある野口遵(ノグチ・シタガウ)により建設された水力発電所で,東西に幅43m,奥行20m,高さ19m,総面積2207.7平方メートルの2階建一部3階建であり,鹿児島県に唯一残る明治時代建造のレンガ造りの建物です。また,当時は水俣のカーバイト工場<チッソ(株)水俣製造所>に電力を供給して,我が国の電気化学工業発祥のきっかけになった貴重な近代化産業遺産でもあります。

【鶴田ダム】
川内川の洪水調節と発電目的に昭和36年7月に着工昭和39年10月に完成。最大12万kwの発電を開始した。鶴田ダムの建設により民家66戸と宅地,耕地,山林,原野と新日本窒素曽木発電所が水没した。
大口市郷土史下巻(昭和53年12月)

ところで
野口遵とは

明治6年生まれ石川県

東京帝大電気工学科卒大学を卒業

福島県郡山絹糸紡績会社の技師長として水力発電事業

シーメンス東京事務所(水力電気事業)

1906年曾木電気設立。出力880kWの水力発電所を建設

熊本県水俣まで送電して、日本カーバイド商会を設立

曾木電気と日本カーバイド商会を合併し日本窒素肥料株式会社を設立

朝鮮にも進出し巨大化。工業中心の財閥を形成。設立者の苗字を取って「野口財閥」とも呼ばれていた。

日本窒素肥料を中心となる日窒コンツェルンを築き「電気化学工業の父」や「朝鮮半島の事業王」などと称された。チッソの他にも、旭化成、積水化学工業、積水ハウス、信越化学工業等の創業者でもあるそうです。
当時「野口遵記念館」の建設の話もあったが実現しなかそうです。

考えてみれば偉大な人物が大口の地に偉大な歴史を残してくれたような気がします。


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tag : 伊佐市 曽木発電所 曽木の滝

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